官民協働まちづくり
実践講座

シンポジウム

平成27年12月15日「エリアマネジメントシンポジウム2015 in 仙台」を開催しました

京都大学経営管理大学院は、全国エリアマネジメントリレーシンポジウムの第2弾として、平成27年12月15日(火)、仙台市にて、仙台駅東エリアマネジメント協議会他2団体とともに、「エリアマネジメントシンポジウム2015 in 仙台~街を、育てる、力~」を開催しました。
 本シンポジウムは、まちづくり団体の連携・交流を図るとともに、「公」と「民」の連携と課題共有によりそれぞれのエリアに合った地域価値を高める取り組み(エリアマネジメント)を促進していくことを目的として開催されました。 

プログラムセッション1:まちづくりサロン
セッション2:オープンフォーラム

主催者挨拶
仙台駅東エリアマネジメント協議会 林伸一 会長

来賓挨拶
国土交通省まちづくり推進課官民連携推進室 中村健一 室長
仙台市都市整備局 小島博仁 局長(代理  早坂宏之 都市開発部長)

基調講演
京都大学経営管理大学院 御手洗潤 特定教授

プレゼンテーション
札幌駅前通まちづくり株式会社 白鳥健志 社長

パネルディスカッション
コーディネーター:
同志社大学大学院総合政策科学研究科 新川達郎 教授  
パネリスト:
札幌駅前通まちづくり株式会社 白鳥健志 社長
株式会社まちづくり鶴岡 菅隆 企画部長
一般社団法人 ISHINOMAKI2.0 西田司 理事
仙台駅東エリアマネジメント協議会 足立千佳子 事務局長

クロージング講演
法政大学人間社会研究科 保井美樹 教授
イベントホール松栄(宮城県仙台市)
主催・共催・後援主催:仙台駅東エリアマネジメント協議会
共催:京都大学経営管理大学院、特定非営利活動法人まちづくり政策フォーラム、仙台駅東口商工事業共同組合
後援:国土交通省、仙台市、全国エリアマネジメントネットワーク設立準備委員会、公益社団法人日本都市計画学会東北支部、日本地域政策学会、地域活性学会、宮城大学
日時2015年12月15日(火)15:-00~17:30
場所イベントホール松栄 (宮城県仙台市)

セッション1:まちづくりサロン

 セッション1/まちづくりサロンでは、会場を「開かれたまちなかサロン」と見立てた展示スペースに、仙台を中心に東北各地で活動している15のまちづくり団体等が参加し、様々なパネルや模型が展示されました。また、オープンセッション形式で各団体が活動内容を紹介すると、参加者は皆熱心に聞き入っていました。その後参加者間で、活発な交流や情報交換が行われました。 

セッション2/オープンフォーラム

主催者挨拶

仙台駅東エリアマネジメント協議会 林伸一会長より主催者挨拶が行われました。
・主催者挨拶概要はこちら。

来賓挨拶

国土交通省まちづくり推進課官民連携推進室 中村健一室長ならびに、仙台市都市整備局 小島博仁局長の代理として早坂宏之都市開発部長より来賓挨拶がありました。
・国土交通省まちづくり推進課官民連携推進室 中村健一室長、来賓挨拶概要はこちら
・仙台市都市整備局 小島博仁局長(代理早坂宏之都市開発部長)、来賓挨拶概要はこちら

国土交通省まちづくり推進課官民連携推進室 中村健一室長
仙台市都市整備局 小島博仁局長(代理早坂宏之都市開発部長)

基調講演

当講座の御手洗潤特定教授が「稼ぐエリアマネジメント 公共性と収益」をテーマに基調講演をつとめました。
講演の前半では、2014年に京都大学他が行った全国アンケート調査による574エリアマネジメント団体からの回答によると「財政面の課題」を抱えている団体が全体の30%近くあること、「公共性」と「収益性」が対立関係にないこと、「公共性」と「収益性」の大小により分類したエリアマネジメント活動毎の今後の方向性等について実例を交えて解説しました。後半は、エリアマネジメント団体の財源のあるべき方向性として、個性を発揮できる組織運営のためには補助金に頼るのではなく自主財源の確保が重要であること、「稼ぐエリアマネジメント」をサポートするために必要な支援や取組に等ついて話しました。
・講演概要はこちら

プレゼンテーション

「札幌駅前通地区のエリアマネジメント~仕組みと現況」について札幌駅前通まちづくり株式会社 白鳥健志社長にプレゼンテーションをいただきました。
札幌市では、平成23年に完成した札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」が、都心の回遊性を促進させるとともに建物更新の機運を高めました。そんな中、都心の賑わい増進と適切な建物更新の誘導、いわゆる「まちづくり」活動を目的にして札幌駅前通りまちづくり株式会社が設立されたとのことでした。
同社は、「チ・カ・ホ」と札幌市北3条広場「アカプラ」の指定管理を行い、両広場を利活用するコーディネートを行っていること、中でも「チ・カ・ホ」での広告事業は大きな収入源としてその収益がまちづくり活動に生かされていること等を紹介されました。こうしたにぎわいづくりが一定レベルに達した今、第2ステージとして、これまで得た利益を元に駅前周辺の不動産事業やリノベーション事業といったまちづくりに取りこんでいこうとする意気込みについてもお話をされました。
・講演資料はこちら。
※資料の無断転載・無断利用を禁じます。

パネルディスカッション

パネルディスカッションは、同志社大学大学院総合政策科学研究科 新川達郎教授をコーディネーターとして、札幌駅前通まちづくり㈱ 白鳥健志社長、㈱まちづくり鶴岡 菅隆企画部長、(一社)ISHINOMAKI2.0 西田司理事、仙台駅東エリアマネジメント協議会 足立千佳子事務局長の4名のパネリストをお迎えし、「稼ぐエリアマネジメント、エリアマネジメントと集客」をテーマとして行われました。前半は、それぞれの地域のエリアマネジメントの現状や課題が各パネリストから紹介されました。後半では、エリアマネジメント組織の事業継続に向けての課題と展望について、「市民と行政とのパートナーシップをもとにまちをトータルデザインしていく」「専門的技術で得た収益を公共的事業に充てる」「外部と連携して外部の人材を取り入れる」「広域を視野に入れたネットワークを構築」など、それぞれが独自の特徴を活かした取り組みと未来に向けて夢あるビジョンを熱く語られました。また、パネルディスカッションの最後には、会場の参加者からの質問をもとに議論が展開されました。具体的には「エリアマネジメントにどのように行政を巻き込んだらいいのか?」といった質問に、「行政課題と地域住民の課題は大体イコール」などパネリストの皆様が現場で役立つ具体的な回答をされ、活発な意見交換となりました。
・パネルディスカッションの概要はこちら

パネルディスカッションの様子

コーディネーター:同志社大学大学院総合政策科学研究科 新川達郎教授
パネリスト:札幌駅前通まちづくり株式会社 白鳥健志社長
パネリスト:株式会社まちづくり鶴岡 菅隆企画部長
パネリスト:一般社団法人ISHINOMAKI2.0 西田司理事
パネリスト:仙台駅東エリアマネジメント協議会 足立千佳子事務局長

クロージング講演

最後に法政大学人間社会研究科 保井美樹教授のクロージング講演「公民連携によるエリアマネジメントの展望」が行われました。
講演では、はじめに、「エリアマネジメントの発展に向けた5つのメッセージ」を掲げられました。また、敷地や公共施設を繋ぐ「間」(多くの場合は公共空間)の創出と活用が重要で、実現のためには公民連携、特にエリアマネジメントが重要であるとのお話がありました。さらに、エリアマネジメントを「地権者主導型のエリアマネジメント」と「企業家主導型のエリアマネジメント」の二つのタイプに分けて、それぞれに課題があり両方の良い面を取り入れながらエリアマネジメント組織を進化させていくには米国BIDのように意思決定と事業経営が分離した上での官民連携のあり方を示唆されました。最後に、間近に迫る「全国エリアマネジメントネットワーク」の発足についてお話をされました。
・クロージング講演の概要はこちら。
・クロージング講演の概要資料はこちら。
※資料の無断転載・無断利用を禁じます。

閉会挨拶

仙台駅東エリアマネジメント協議会副会長の増田聡東北大学大学院経済研究科教授により閉会の挨拶が行われました。
今回のシンポジウムは、東北を中心としたエリアマネジメント団体間の連携・交流の促進にとどまらず、全国のエリアマネジメントの財源確保や認知度向上、人材育成などの課題の解決のための方法を認識する機会となりました。当日は、エリアマネジメント団体関係者や行政関係者、研究者や学生など約200名が参加し盛会のうちに終了しました。
・閉会の挨拶の概要はこちら
 ・チラシはこちら

東北大学大学院経済研究科 増田聡教授

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