グリーン・アントレプレナーシップ研究寄附講座
お知らせ
2024年11月29日 グリーンアントレプレナーシップ講義 第5回「「エコノミ―」と「エコロジー」は両立するか?」 を開催しました
2024年11月29日(金)、京都大学の「グリーンアントレプレナーシップ」講義の第5回目が開催されました。株式会社ダイセル 執行役員/研究開発本部副本部長 六田充輝氏をお迎えし、企業が取り組む最前線の「エコロジー」と「エコノミー」について学びました。ファシリテーションを務めたのは、軽部客員教授と山田教授。両氏の進行の下、ダイセルの取り組みとエコロジーに関する業界全体の課題について活発な議論が繰り広げられました。
ダイセルは、現在、主に「マテリアル事業」「スマート事業」「セイフティ事業」「エンジニアリングプラスチックおよび高分子製品事業」「ヘルスケア事業」「ライフサイエンス事業」などに取り組まれています。その中で、「エコロジー」と「エコノミー」の両者の追求はとても難しいものの、基本的には、持続可能な利益確保のために、高付加価値商品あるいはサービスを提供することを目指していくべきだと述べられました。そして、エコロジーの部分におけるエネルギー測定など従来のグレーゾーンも極力白黒はっきりさせて、たとえエコロジー商品だとしても、利益の可視化ができるように努めるべきであるとの言及がありました。
この点、マクロ的には、バリューチェーンを作り、業界全体で取り組む必要性があるとも述べられました。そのために、①サイクルを作ることを目指す②小さいサイクルをたくさん作る③それらを大きなサイクルにしていく④同じ志の仲間を増やす、という流れが重要であるとのことでした。
また、「付加価値」については、ニーズの大きさに見合った供給ができて初めて意味があるので、スタートアップや新規事業において、少しでも成功率を上げるために、手段・目標のどちらかを柔軟に考える戦略を取る必要があるというコメントもありました。
さらに、イノベーション創出のためには、各分野を乗り越える「越境」が大切であり、自らが獣道を作るという意欲も大切であると述べられました。
講義の後半では、受講生からの活発な質疑があり、六田氏から丁寧な、かつ、詳細なご回答があり、質疑をした受講生が、そして、その他の受講生の理解がさらに深まる質疑応答となりました。
