アート・コミュニケーションデザインと
組織経営寄附講座

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「アート・コミュニケーションデザイン実践演習」(2024)の講義報告

蓮行特定准教授による講義「アート・コミュニケーションデザイン実践演習」2024年度後期の授業が終了しました。本授業は、全15回(5日間)の集中講義で、隔週土曜に開講されました。

この授業では、受講生の皆さんに蓮行特定准教授の開発した「演劇的手法によるワークショップ」を実際に体験していただくとともに、「身体表現芸術」の創作にグループで挑戦していただきます。そういった体験を通して、組織やチームにおける「コミュニケーションデザイン」の核心に触れていただく、アクティブラーニング型の授業です。

シラバスは以下のURLからご確認いただけます。

●授業の様子

1日目 10月12日(土)3限〜5限

1日目は、冒頭に授業ガイダンスを行い、続いて「歩く&止まるゲーム」や「いいですねゲーム」などアイスブレイクに用いるワークを中心的に体験してもらいました。各ワークの後には、蓮行先生にコミュニケーションデザインの観点からワークを分析していただきました。「心理的安全性」や「バイパス効果」など、ワークショップを設計する上での意図や工夫に関する事後説明を受け、受講者は自らの反応を振り返りつつ、客観的にワークショップの効果を分析する機会を得ます。授業の後半では、「件の宣言」というワークを行いました。直接民主制度を演劇的な手法で体験するアクテヴィティで、参加者の年齢によってどのような反応があるのか、また主催者側はどのようなアレンジを加えるべきなのかについて、先生に説明していただきました。

2日目 10月26日(土)3〜5限

2日目は、冒頭に前回の授業を踏まえての質疑応答の時間が設けられました。1日目に行ったワークを実践した上での疑問点などが挙げられました。蓮行先生からは、ワークを行う中で、チーム全体で課題に対する「共同注意」が働くといった効果が得られるといった解説がありました。受講者からでた質問によって、より深い学びが実現できました。

その後、「コンサルテーションX」というワークを実施しました。さまざまなテーマに対する相談者と回答者という立場を両方経験することで、多様な視点を持って世界を見ることを体験するワークでした。ワークの実践から解説という流れを踏むことによって、よりワークの効果を実感できる授業になっていました。

授業の後半では、次回授業で実施する中間発表のチーム分けと内容の議論を行いました。この話し合いは受講者たちが主体となって進められました。

3日目 11月9日(土)3〜5限

3日目は前回授業の中で決定したグループごとに、小作品を創作、発表を行いました。発表会では、授業担当者と学生が相互に作品を鑑賞しました。

発表作品の中では、これまでの授業の中でおこなわれたミニゲームの解説の中で伝えられた「他者を巻き込んでいくワーク」や「心理的安全性を確保する工夫」などが組み込まれた作品が発表されました。

発表会の最後には、講師からのフィードバックと、グループ内外での相互フィードバックを実施しました。相互フィードバックの中では、発表作品の批評に加えて、グループワーク内で実施したことが実務にどのように役立てることができるかどうかなどのディスカッションも行われました。

4日目 11月30日(土)

4日目の前半では、「泡沫裁判所」というミニゲームを行いました。このゲームは、日常に起こる瑣末な「事件」の裁判を行うゲームです。受講者は、裁判官・検察・弁護などの役職にランダムに振り分けられ、それぞれの立場から裁判を行いました。2日目に行った「コンサルテーションX」と同様に、与えられた役職から「事件」を考えることによって、自分がすでに持っているもの以外の視点から物事を考察することができるゲームでした。同時に、日常的に体験することのない裁判を擬似的に体験することによって、司法的なリテラシーを高めることができました。

授業の後半では、授業担当者が参加する研究チームが開発中の演劇的手法を用いたケーススタディを行いました。参加者は事前に提示されたケース資料を読み込んだ上でケーススタディに取り組みました。授業前半に行った「泡沫裁判所」同様に、学生は執行役員や広報などの役割をランダムに与えられ、この役割に従ってケースに取り組みました。従来のケーススタディと異なり、参加者全員が役割を与えられることで全員が主体的にケースに取り組める枠組みでした。

5日目 12月28日(土)

最終日は、これまでの授業を踏まえた2回目のグループワークが行われました。

 

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