アート・コミュニケーションデザインと
組織経営寄附講座

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「アート・コミュニケーションデザイン実践演習」(2023)第4回〜第9回の講義報告

●授業の様子 2日目

11月11日(土)13:15〜18:15

アートを媒介とした協働活動のアクティビティ体験とデザインの解説を行いました。

今回の授業では主に「件の宣言」「コンサルテーションXX」という二つのアクティビティを実施しました。

「件の宣言」では「一夫一妻制を維持すべきか・緩和すべきか」というテーマについて議論しました。受講生は4グループに分かれ、くじびきにより「肯定・過激派」「肯定・穏健派」「否定・過激派」「否定・穏健派」が各グループにランダムに割り当てられます。そして、割り振られた意見に従って、各グループでどのように主張するか話し合ったのち、演説しあい、最終的には各個人の考えに基づいた秘密投票を行いました。今回の投票結果は「維持3票、緩和5票」でした。

このアクティビティで重要なポイントは、最初から最後まで個人がどういう考えを持っているのかが明らかにされないという点です。つまり、どの段階で誰が何を言っても、その内容が言った当人の本音かどうかはわかりません。その意味で心理的安全性が常に確保されているといえます。

「コンサルテーションXX」では、3人で1つのグループをつくり、「健康相談」をテーマにロールプレイを行いました。このアクティビティでは、グループの3人にそれぞれ「相談者」「新人看護師」「相談を傍で見守る人“精霊”」の役が割り振られます。そして各々が役になりきって数分の「健康相談」を行い、その後「精霊」から、そのときの健康相談の内容についてフィードバックをします。

ここで重要なのは「新人看護師」の役割です。「新人看護師」役の人たちは、「相談者」との会話の内容だけでなく、椅子や机の配置などを含めたコミュニケーション環境をデザインすることが求められます。

これらの活動を通して、受講者はコミュニケーションデザインの実践的な構成の仕方について学びました。

●授業の様子 3日目

11月25日(土)13:15〜18:15

グループワークによる小作品の創作と発表及びディスカッション

3日目の授業では、グループワークによる小作品の創作と発表を行いました。2つのグループに分かれ、自由にテーマを設定し議論やリハーサルを積み重ねました。

興味深いことに、今年度はどちらのグループも舞台設定は”近未来”。人間がテクノロジーに頼り切った世界で起きる事件や、そのような世界だからこそ浮かび上がるリアルの重要性が主題となりました。アドリブなのか作りこまれた脚本なのかが分からないほどクオリティの高い創作が行われ、受講者の本気度が伺えました。

発表後、蓮行先生による講評では、受講者との質疑応答のなかでアドリブを生かす方法について説明が行われました。最後に全員でフィードバックを行い、盛会のうちに授業を終えました。

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